しょこたんとそれとはあんまり関係ない僕の叙情

世間では今、しょこたんという人物の綴るしょこたんぶろぐというのが一世を風靡しているらしい。

僕は昔から若者の間で流行っている物が苦手で、もっと言うと嫌悪感を持っていた。だからかっこいい洋服を着るとか最新のJポップに熱を上げるとかロンドンブーツの番組を観るとかYOSHIの本を読むとかそういう事は一切しなかった。そうやってちゃらついてる奴は今はぴいぴい言って楽しいかもしんないけど、碌な人間になりやしねえよ、などと嘯いて自室に篭り、よくわからないドラムンベースなどの音楽を聴いて悦に入っていた。

でも今はそういった物が色々許せる。

からしょこたんの使う様な言葉なども、昔なら「日本語の崩壊だ、若者による日本文化の瓦解だ」などと喚いて否定の限りを尽くしただろうけれど、今だったらもうギザ許せる。2ちゃん語とかにしても単純にこういうのは面白いものなんだと思う。猿真似してるだけじゃ成長はしないけど、でも猿真似するだけで面白いものがあるんならそれはそれでギザ楽しい人生だし、生き方として一つの正解なんだとギザ思う。

大人の階段を上るにつれて絶対的に信仰するようなものが無くなったかわりに、頭ごなしに否定するものも減ってきた。色々なものを寛大に受け入れられるようになった。多分最終的には、殺人鬼も聖者も凡人も宗教も科学もUFOもみんな受け入れられるようになるんだろう。

僕はいつか確かにそういうものになりたいと思った。僕はそういうものになりつつあるけれど、なんだかあまりにも感情的でなさ過ぎて人間らしくないような気もする。でも感情的である事はやっぱり嫌だと思うんだ。感情的になるといい感情もたくさんあるんだけど、悪い感情もたくさん混じってしまう。だからつい、なるべく感情的でないフラットな視線を保とうとして、結果的に生きててつまんなくて、お酒なんかで感情的になった時にちょっと面白くってすぐ後悔してまたフラットをやってしまう。

僕はどこに向かえばいいんだろう。ギザ悩めるお。